「解体工事なのだ!」第373回サルシカ隊がいく

投稿日: 2016年02月05日(金)09:23

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いよいよサルシカの新店舗づくりがはじまった。
三重県の県庁所在地である津市の、かつては一番の繁華街であった大門にお店をつくるのだ。
具体的に場所を言うと、津都ホテルのすぐそば。
イタリアンレストラン「アレグロ」であったお店である。

が、今回は野原に基地をつくるのとは道理がちがって、まずは前のお店の内装等々を解体しなくてはならない。
つくるまえに壊すのだ!

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今回はその解体工事のレポートなのであるが、その前にもいろいろ動きがあった。
お店の場所が決まってWebで公開すると、いろんな人から協力やら応援のメッセージをいただいた。

そのひとつが、伊賀の銭湯、池澤湯さんから。
閉店したあるお店にたくさんの食器があるので、好きなだけ持っていってください、と。

で、新女将・寿実ちゃんとM子がお邪魔して、遠慮なく物色させていただくことに。

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そしてこんなにたくさんの食器をいただいて来ました!
もう1枚も買わなくていいぐらい!!

池澤湯さん、本当にありがとうございました!!

あとはコップとかおちょことかだな。

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続いて解体工事前日。
今回の工事の棟梁である鼻笛大工こと池山大工と、水道工事の佐野さん、電気工事の西川さん。
そして中谷の父ちゃんと新女将・寿実ちゃんと隊長のワタクシの6人で現場へ。

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解体前に電気や水道の事前工事。
池山大工は試しにあちこちバラしてみて、明日の段取り等を考える。
サルシカ秘密基地の工事のように行き当たりばったりではなくて、なかなか計画的なのだ(笑)。

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水道、電気は止められるところは止めて。
手伝いに来てくれた人が感電しちゃったり、水が吹いたりしたら大変なので。
ここはひとつ慎重に。

段取りをしっかりと決めて、解体工事当日を迎えることになった。

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そして!
解体工事当日。

町中で工事をするにあたって一番困ったのが駐車場。
山中にある秘密基地の工事のときはそれこそどこにでも車が駐められたのでよかったが、町中だとお金がかかってしまう。
で、可能な限り乗り合わせで。

午前8時。
秘密基地に前泊していた大山さん、電気の西川さん、中谷の父ちゃん、女将の寿美ちゃんがサルシカのアルファードにて秘密基地を出発。
隊長のワタクシは解体ゴミ運搬用のために軽トラで出撃することに。

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9時まえ。
現場となる新店舗に到着。
昨年10月まで「アレグロ」として営業していたこのお店に、隊長のワタクシは何度も来たことがある。
夜遅くまでイタリアンとワインが楽しめるお店であった。
ここで何か大きなドラマがあったわけではないが、これでこの店の雰囲気も見納めかと思うと少し感傷的になる。

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開始時刻の9時になって、まずはカウンターに塩を盛って手を合わせる。
これまでたくさんの人がここに通い、飲み、食べ、語らった場所に感謝をして、解体工事の安全をみんなで祈る。

この日の解体工事の参加者は、写真左から、

電気の西川さん、
蕎麦屋の山田さん、
女将の寿実ちゃん、
大山さん、
今回の棟梁である池山大工、
久しぶりの登場! バカエミの夫かっちゃん、
田端くん、
お茶畑担当の宮本くん、
サルシカ隊長のワタクシ、
カメラ担当の中谷の父ちゃん(撮影者ね)、

そしてこのあとすこし遅れて、

店舗のデザイン監修である第七劇場主宰の鳴海さん、
同じく劇団員の伊吹くん、
一級建築士の松田くん、
この入隊の花屋の中村さんが参加。

なんと12人で満席となるお店の工事に14名が参加。
人数が多すぎて全員が中に入って作業は出来ないのである(笑)。

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さあ、いよいよ解体工事がはじまった。
店舗内に入って解体工事を指揮するのは池山大工。
躊躇なくテーブルをぶったぎり、みんなで叩き壊す。

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工事は効率的に。
長いサルシカの工事作業において培われた流れ作業方式が導入される。

壊す→店外へ運び出す→軽トラに積む

チームに別れて動く。
どこかが手間取って遅くなるようならば、チーム編成を変更し、弱い部分に余剰人員を送り込む。
ボトルネックをつくらず、常にスムーズに作業が流れるようにするのである。

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軽トラで廃材を運搬するのは、かっちゃんと田端くん。
店から軽トラへと廃材を運び出すのは、蕎麦屋の山田さんと宮本くん。
足りないものを買いに走ったり、お茶やお弁当の手配をしてまわるのが女将・寿実ちゃん。
隊長のワタクシは全体を常に見渡すためにあちこちうろうろし、
それ以外の人は店内でバキバキ解体作業となった。

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あっという間にすべての壁を引き剥がしてしまい、カウンターの破壊に入る。
つくるのと違って壊すのは早いなあ。
しかも電気とか水道とか気をつけなければならないところはすでに処理してあるので、あとは力まかせに勝負できる。

「おーし、いっちょいったるかあ!!!」

みんなでカウンターをぶっ叩き、蹴り倒し、引っこ抜く。

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デザイン監督の鳴海さんは、劇団員の伊吹くんと共に新調に柱やはりのチェック。
どこを壊し、どこを残すべきか判断している。

とはいえ、実際のところほとんど壊してしまって残したところは1割にも満たないのだけれど(笑)。

われわれサルシカに資金の余裕があるわけではない。
でも、お金がないからといって中途半端なお店にはしたくなかった。
だって来てくれるお客さんにとっては、ここがNPOがやっているから、なんて関係ないからである。
居心地のいい空間、驚く空気感が必要なのだ。

お金がない分、手間とみんなの汗でカバーする。
妥協はしない。
そう決めたのだ。

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午前中の休憩時間のまえに、壁、カウンター、棚などの撤去が完了。
予想以上に早く進んでいた。
天井の取り壊しに入る。

さっき妥協はしないと言ったが、ここまで完璧に解体してしまうと、本当に大丈夫なのかと不安になる。
予算的も工期的にもなんとかなっちゃうんであろうか。

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店のまえを通り過ぎていく人、そして様子を見にきた大家さんが、大人数での工事にひっくり返っていた。
ビル1軒まるごと壊してしまいそうな勢いであった。

さて、いよいよ後半戦。
トラブルはいつもゆっくりとやってくる(笑)。